【在留資格全般】最近の「ブローカーっぽい相談」にご注意(行政書士の立場からの注意喚起)
【注意喚起】その在留資格相談、もしかして“ブローカー案件”かもしれません
~行政書士の視点で見抜くポイントと正しい相談のあり方~

はじめに|最近増えている「ちょっと怪しい」在留相談
行政書士として外国人のビザや在留資格を支援する中で、最近「少し引っかかるような相談」が増えてきたと感じていませんか?
たとえば、こんな問い合わせです:
- 「ネパール人の知人を日本に呼びたいんですけど……」
- 「インドやスリランカの親戚を呼びたいけど、本人の目的はまだ決まっていない」
- 「本人は話せないので、すべて私が代わりにやります」
表面的には「相談」でも、内容をよく聞いていくと、ビザ取得そのものが目的化しているケースがあります。
本人の意思や活動目的が不明確で、あくまで「誰かを日本に入れたい」だけになっている――そうした相談は、いわゆる“ビザブローカー”による依頼である可能性が否定できません。
最近増えている「ブローカー的」な在留相談とは?
ブローカー的な依頼とは、「本人が明確な目的や理解のないまま、第三者が申請の段取りだけを進めているような相談」のことです。
その特徴は、行政書士として受任するには極めて慎重を要する内容を多く含んでいます。
よくあるパターンの例:
ケース | 特徴 |
---|---|
🇳🇵「ネパール人を呼びたい」 | 呼びたい理由が曖昧。「就労?留学?それとも観光?」と聞くと「まだ決まっていない」と返ってくる |
🇮🇳「インド人の本人とは直接話せない」 | 通訳やLINEでのやりとりも拒否。本人と直接連絡が取れない |
🇱🇰「スリランカ人の手続き全部やります」 | 書類も提出もすべて代理人が進めようとする。本人の情報に関する説明が曖昧 |
🧳「とにかく入国させたい」 | 在留後の生活や活動に関する説明がない。支援体制や居住予定なども未定 |
こうした相談は、表面上は「支援」と言いつつ、実際は収益目的での斡旋であることも珍しくありません。
行政書士が注意すべきポイント|受任判断は慎重に
私自身、まだ行政書士としての経験は浅いのですが、それでも日々の相談の中には「少し慎重に考えたほうがよさそうだな」と感じるケースがあります。
制度のルールに則って手続きを行うことはもちろん大切ですが、それ以上に、「この申請は本当に正当なものか」「ご本人の意思がきちんと確認できているか」といった部分を丁寧に見極める姿勢も大切だと日々感じています。

✅ 本人確認が取れない相談には要注意
行政書士会などでも案内されている通り、本人確認ができないままの受任は避けるべきとされています。
対面でなくてもZoomなどのオンライン面談を活用することで、遠方の方でも意思確認は可能です。
「ご本人と一度も話さずに手続きが進むようなケース」は、特に慎重に対応したいところです。
✅ 申請理由が曖昧な場合は、一度立ち止まる
たとえば「就労か留学か決まっていないけれど、日本に入国させたい」といった相談があった場合、正確な情報をもとに書類を整えるのが難しくなります。
不自然な申請理由は結果的に不許可となることも多く、場合によっては虚偽申請と判断されてしまうおそれもあります。
✅ 相談者(代理人)が強引すぎるケースにも注意
ご本人ではなく、親戚や知人という方が「とにかく早く申請してほしい」と急かすような場合もあります。
もちろん、本当にご本人のために動いている方もいらっしゃいますが、「本人の意思が見えないまま、手続きだけを急がされる」ようなケースでは、一歩引いて考えるようにしています。
正当な依頼者との違いとは?
私のようなまだ経験の浅い行政書士でも、正当な依頼者とそうでない相談者との違いは、少しずつ見えてくるようになります。
✅ 本人が自ら説明しようとする姿勢がある
たとえ日本語が得意でなくても、翻訳アプリを使ったり通訳の方を通したりして、「自分で伝えたい」という意思を感じられることが多いです。
逆に、最初から最後まで別の方がすべて対応し、ご本人の意向がわからないままというのは、やはり気になる点です。
✅ 面談・ヒアリングにも協力的
LINEでの事前登録やZoom面談、ヒアリングフォームの提出など、依頼者として必要なステップに丁寧に協力してくださる方は、信頼できる印象があります。
✅ 滞在目的が明確・現実的
「語学学校に通う予定」「日本人配偶者と同居する」「採用予定の企業がある」など、滞在目的が具体的かつ現実的であることも大切なポイントです。
不安がある場合の対応法と断り方
私自身、日々のご相談を受ける中で、「このまま進めていいのかな?」と少し迷う場面に出会うことがあります。
そんなときには、無理に話を進めようとせず、一度立ち止まる勇気も必要だと感じています。

✅ 自分の中で受任の基準を決めておく
例えば、私は以下のようなことを意識しています:
- ご本人と面談(対面・WEB問わず)を行ったうえでの受任
- LINEやメールでの登録がないままの受任は避ける
- 滞在目的がはっきりしない場合は、一度立ち止まる
こうした基準を持っておくことで、迷ったときの判断軸になりますし、誠実な対応にもつながると思います。
✅ 断るときも誠実に、丁寧に
依頼をお断りする場面は正直なところ勇気がいりますが、「制度上、どうしても必要な確認が取れない場合は受任できない」ということを丁寧に説明するだけでも印象は変わります。
たとえば:
「恐れ入りますが、在留資格の申請にはご本人の意思確認が必要なため、今回は受任を控えさせていただきます」
「事前の面談ができない場合は、当事務所の方針としてお引き受けが難しくなります」
など、やんわりと、でもルールはしっかり伝えることが大切だと感じています。
行政書士として大切にしたいスタンス
まだまだ経験は浅いですが、それでも行政書士として、制度を正しく運用することの重要性を日々感じています。
もちろん、依頼者の方が困っている気持ちに寄り添いたいという思いはありますが、だからこそ「曖昧なまま書類を作ること」がどれほどリスクになるかも理解しておかないといけません。

✅ 不正に加担しないことが、信頼につながる
- 本人確認や意思確認を丁寧に行う
- 適正な目的・計画が確認できない限り、申請を急がない
- 曖昧なままの依頼は、慎重に取り扱う
こうした姿勢は、一見すると「慎重すぎる」と思われることもあるかもしれません。
でも、制度に対して誠実でありたい、という気持ちは、きっと伝わると信じています。
最後に|「その違和感」は無視しないで
経験の少ない中でも、「何か違和感があるな」「この話、少し変だな」と感じることはあります。
そして実際、その直感は当たっていたなと思うことも少なくありません。
迷ったら、まずは立ち止まる。
そして、制度や相手にとって誠実である選択をする――
それが、これから行政書士として信頼を積み上げていく上で、最も大切な判断だと私は思っています。
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代表行政書士 石椛 敬法(イシナギ タカノリ)
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