「会社経営者の永住申請ガイド|役員報酬・決算・社会保険で注意すべき実務ポイント」
経営者の永住申請はなぜ難しいと言われるのか

会社経営者・役員が永住許可を申請する場合、会社員とは審査の見られ方が異なります。
入管庁が重視するのは、「個人としての安定性と社会的信頼性」。会社の経営成績だけでなく、個人の生活基盤をどのように維持しているかがポイントになります。
| 審査で見られる主な視点 | 内容 |
|---|---|
| 個人収入の安定性 | 役員報酬が継続的に支払われているか |
| 納税実績 | 所得税・住民税・法人税の納付状況 |
| 社会保険の加入状況 | 厚生年金・健康保険などの加入と滞納有無 |
| 法人との関係性 | 法人の業績と個人生活がどう関係しているか |
経営者は雇われる立場ではないため、給与明細ではなく「役員報酬」を証明する必要があります。
業績が不安定な年でも、誠実に納税・社会保険加入を続けている場合には、十分に永住許可の可能性があります。
赤字決算でも永住が許可されるケースとは

「会社が赤字だと永住は難しい」と言われることがありますが、実際には個人の安定収入が確保されていれば許可されるケースもあります。
たとえば次のような場合です。
| 状況 | 永住審査での扱い |
|---|---|
| 毎月安定した役員報酬を受け取っている | → 安定収入として評価される |
| 所得税・住民税・社保をきちんと納付 | → 信頼性が高い |
| 一時的な赤字(投資・減価償却など) | → 経営判断として説明可能 |
| 役員報酬ゼロ・極端に低額 | → 生活基盤が不明とされ不利 |
つまり、法人の損益よりも個人の生活安定性をどう説明できるかが鍵です。
補強資料としては、預金残高証明・家族の収入状況・事業計画概要などを添付すると効果的です。
役員報酬と安定収入要件の関係

永住許可の「安定かつ継続的な収入要件」(入管法施行規則第7条の2第2項)において、経営者の安定性を支えるのは役員報酬です。
✅ ポイントまとめ
- 報酬額は「業績」「他社水準」「生活費バランス」で判断
- 年ごとの変動がある場合は、理由書で説明する
- 証明書類は次の3点を必ずセットで提出
| 書類名 | 内容 |
|---|---|
| 源泉徴収票 | 年間の支給額と税額を確認 |
| 確定申告書控 | 個人所得の正式証明 |
| 法人決算書 | 会社側の支出根拠を示す |
役員報酬を下げた年度には、経営状況や投資判断などの背景を簡潔に説明する文書を添付しましょう。
「報酬が低い理由」よりも「誠実な説明」が重視されます。
社会保険・年金の加入状況は絶対に見られる

法人経営者でも、社会保険(健康保険・厚生年金)への加入は永住審査での信頼性指標となります。
| 加入区分 | 審査での評価 |
|---|---|
| 厚生年金・社会保険加入 | ✅ 望ましい(法人代表者も原則加入) |
| 国民健康保険・国民年金 | ⚠️ 加入理由を説明書で補足 |
| 未納・滞納がある | ❌ 大きなマイナス評価 |
社会保険未加入の場合は、「中小企業で社保対象外」「加入準備中」などを理由書で説明し、可能な限り加入へ移行します。
保険料・年金未納がある場合は、完納証明書を添付し、誠実な対応を示すことが重要です。
経営者が提出すべき主要書類と補強資料

経営者が永住申請を行う際には、一般の就労者よりも提出書類が多くなります。
法人と個人の両方から「安定性」を示すことが求められます。
基本書類(共通)
| 書類 | 補足 |
|---|---|
| 永住許可申請書・理由書 | 日本語で作成(署名必須) |
| 在留カード・パスポート | 原本提示+コピー提出 |
| 納税証明書(その1〜その3) | 所得税・住民税・法人税 |
法人側書類
| 書類 | 内容 |
|---|---|
| 登記事項証明書 | 会社の代表権・所在地の確認 |
| 決算書(直近3期分) | 売上・利益・報酬支払実績の確認 |
| 法人税納税証明書 | 適正納付の裏付け |
補強資料(提出推奨)
- 役員報酬明細・源泉徴収票
- 銀行残高証明書
- 事業計画の概要・今後の見通し
- 家族の扶養・生活費に関する説明書
特に複数法人を持つ経営者は、「どの法人から報酬を得ているのか」を明示しておくことが重要です。
不許可になりやすい典型パターン

経営者ルートの永住申請では、「書類の整合性不足」や「説明の欠如」による不許可が目立ちます。
❌ 不許可につながりやすいケース
- 法人税・住民税の滞納や分納がある
- 決算書と確定申告書の金額が一致していない
- 役員報酬が不定期または低すぎる
- 社会保険・年金に未加入または滞納中
これらの要因がある場合も、完納・是正後に再申請すれば許可されるケースもあります。
重要なのは「隠さず、誠実に説明する姿勢」です。
行政書士が見る「経営者永住」の審査突破ポイント

現場での実務経験から見ても、経営者の永住申請では以下の3点が決定的です。
| ポイント | 解説 |
|---|---|
| ① 書類の整合性 | 個人・法人の数字を完全に一致させる |
| ② 事業の安定性 | 売上見込み・受注予定を明示する |
| ③ 信頼性の裏付け | 納税・社保・年金で誠実性を証明 |
永住審査は「完璧な業績」ではなく、誠実な生活実態と透明な説明を評価します。
行政書士によるサポートで、書類の整合性・補強説明を最適化することが成功の鍵です。
まとめ|経営者でも条件を整えれば永住は十分可能

経営者・役員であっても、
- 役員報酬の安定
- 法人・個人の整合性
- 税・社会保険の誠実な対応
この3点をきちんと整えれば、永住許可は十分に可能です。
一時的な赤字や変動があっても、安定した生活基盤と誠実な説明があれば問題ありません。
「数字の整合性」と「説明の一貫性」を大切にし、専門家と一緒に準備を進めることで、経営者の永住申請も確実に突破できます。
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