就労ビザ|正社員・契約社員・業務委託の違いと適法性を行政書士が解説
就労ビザ|正社員・契約社員・業務委託の違いと適法性を行政書士が解説

同じ「働く」でも、契約の形によって就労ビザの扱いが大きく変わることをご存じでしょうか。
正社員・契約社員・業務委託など、どの形態で働いているかによって、入管が見るポイントも異なります。
この記事では、これまで数多くの就労ビザをサポートしてきた行政書士いしなぎ事務所が、
現場の経験をもとに「雇用形態別の適法性」や「入管が重視する実態面」について丁寧に解説します。
なぜ「雇用形態」が就労ビザ審査に影響するのか

入管の審査では、「どんな契約で働いているか」よりも「実際の働き方」が重要です。
たとえ契約書上は「業務委託」と書かれていても、勤務時間や指揮命令の実態が「雇用」に近い場合は、雇用関係があると判断されます。
反対に、契約社員や派遣社員であっても、雇用主が明確で労働条件が安定していれば、問題なく許可されるケースも多くあります。
つまり、入管が見ているのは「ラベル」ではなく「中身」なのです。
ポイント:
- 形式よりも「勤務実態」が重視される
- 契約書の名称が違っても、実態が雇用ならビザ対象
- 逆に、業務委託なのに雇用のように働いていると不適法の可能性も
正社員・契約社員・派遣社員の違いとビザ上の扱い

まずは、雇用関係がある3つの代表的な形態を比較してみましょう。
正社員(無期雇用):安定性が最も高い形態
正社員は、期間の定めがない「無期雇用」として最も安定性が高く評価されます。
勤務先の経営状況や職務内容が明確であれば、在留期間3年・5年の付与も期待できます。
ただし、入管は企業の安定性も同時に確認します。
設立まもない会社や小規模事業の場合は、登記簿・決算書・事業計画書などで実態を補うと良いでしょう。
契約社員(有期雇用):契約期間とビザ期間の整合性
契約社員は「有期雇用」のため、契約書に記載された期間がそのまま審査に反映されます。
契約期間が1年なら、在留期間も1年となることが多く、「安定的雇用」をどう示すかが鍵です。
更新見込みがある場合は、「更新予定あり」と記載した雇用証明書や、複数年契約の意向書を添付しておくと安心です。
派遣社員:派遣元・派遣先の関係を明確に
派遣労働の場合、雇用主は派遣会社(派遣元)ですが、実際の勤務先は派遣先企業になります。
入管ではこの関係を非常に慎重に見ています。
派遣契約書・派遣元の許可証写し・派遣先での勤務内容説明などを添付し、三者の関係を明確に示しましょう。
業務委託・フリーランス契約は「雇用」ではない

業務委託契約は、仕事の成果に対して報酬を得る「請負」や「委任」にあたります。
つまり、雇用関係ではなく「独立した立場」で働く形式です。
そのため、「技術・人文知識・国際業務」ビザのように雇用を前提とする在留資格では、原則として認められません。
この点を誤解しているケースは非常に多く、実際の不許可事例にもつながっています。
典型的な不許可例
- 業務委託契約で複数企業から報酬を得ている
- 勤務時間が固定され、事実上の雇用状態になっている
- 「社外スタッフ」として働いているが、会社のPC・システムを常時使用している
こうした場合は、「経営・管理」や「高度専門職」など、独立的な活動を許容するビザへ切り替えた方が安全です。
「雇用関係」の実態をどう立証するか

契約形態にかかわらず、入管は「実際の働き方」を見ています。
つまり、雇用契約書があっても、実態が伴っていなければ意味がありません。
判断基準の主な例:
- 給与を誰から受け取っているか(振込元の名義)
- 勤務時間・休日の管理を誰が行っているか
- 上司・指揮系統が存在するか
これらを裏付けるために、給与明細・勤怠記録・人事評価票などを提出すると説得力が増します。 また、在宅勤務やリモートワークが多い場合は、「勤務実態報告書」を添えるとより明確です。
入管が注目する3つのチェックポイント

就労ビザの審査で特に注目されるのは次の3点です。
- 雇用契約書の内容(契約期間・職務・報酬の合理性)
- 雇用主の事業実態(登記・事務所所在地・従業員数・財務状況)
- 労働条件とビザの整合(副業・在宅勤務・兼務などの実態)
特に、報酬水準が職務内容に見合わない場合や、職務内容があいまいな契約は要注意です。 申請時に説明書や理由書を添えることで、疑問点を先回りして解消できます。
実務で多い「グレーゾーン事例」と対応策

① 業務委託契約を正社員扱いで申請したケース
契約書の名称だけを「雇用契約書」に変更しても、実態が伴っていなければ不許可になります。 給与支払方法・勤務指示の有無など、契約実態を再整備することが重要です。
② 契約更新のたびにビザ期間が短縮されたケース
毎年契約更新している場合、「安定した雇用関係ではない」と見られることがあります。 雇用主側から「今後も継続雇用の予定がある」旨の証明を出してもらうと効果的です。
③ 入管から「雇用関係の証明」を求められたケース
勤務日数・勤務時間・報酬支払方法を明記した説明書を提出します。 特に派遣や複数契約のケースでは、雇用主と勤務先の関係を図で示すとわかりやすくなります。
まとめ:契約形態よりも「実態で説明する」姿勢が重要

就労ビザでは、契約書上の名称よりも「実際にどう働いているか」がすべてです。 入管は、申請書類から「雇用関係の安定性」「仕事内容の妥当性」「会社の継続性」を読み取ります。
そのため、契約形態に迷ったときは、まず実態を整理することが第一歩です。 そして、行政書士などの専門家に相談することで、最適な立証方法を見つけることができます。
形式にこだわらず、実態に基づいた資料を整えることで、審査の信頼性が高まります。
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