永住申請の「理由書」の書き方と実例解説|通るためのコツとNGパターン
はじめに|「理由書」は申請成功のカギになる

永住ビザ(永住者)を申請する際、必須書類の中に「理由書(Statement of Reasons)」というものがあります。これは、申請者がなぜ永住を希望するのか、自分自身の言葉でその理由を説明する書類です。
法的には「任意提出」とされている場合もありますが、実務上はほぼ必須と言える重要書類です。理由書は、提出された他の証拠書類(収入・納税・年金など)では伝えきれない「背景」や「思い」を審査官に伝えるためのツールであり、申請者の真摯な姿勢をアピールする絶好の機会となります。
この記事では、永住申請における理由書の役割、構成、実例、注意点、よくあるNG表現などを行政書士の視点から詳しく解説します。
第1章|そもそも「理由書」とは何か?

1-1. 任意書類だが、実務上は「必須」に近い
入管法上、理由書の提出は義務ではありません。しかし、実際の申請ではほとんどのケースで提出が求められ、行政書士など専門家に依頼する際も、必ず作成を指示される書類です。
理由書がない場合、「なぜ永住を希望するのか」が不明確となり、特に審査官が迷うようなケース(転職歴が多い・収入に波がある・短期間での申請など)ではマイナス要因として作用することもあります。
1-2. 審査官が注目するポイント
理由書は、単に「日本が好きだから」などの抽象的な表現では不十分です。審査官が知りたいのは以下のような具体的な点です。
- 現在の生活基盤がどれだけ日本に根付いているか
- 日本で今後どのように生活し、社会と関わっていくつもりなのか
- 過去の在留歴・納税・年金などへの姿勢は真面目だったか
- ルール違反やトラブルがなかったか
- 永住を通じてどのような貢献をしようとしているか
これらの視点を踏まえながら、書くべき内容を整理する必要があります。
第2章|理由書に盛り込むべき6つの要素

理由書においては、「誠実さ」や「真剣さ」が伝わることが重要です。単なる感情表現やテンプレート的な言い回しだけではなく、審査官が知りたい情報をロジカルかつ丁寧に盛り込む必要があります。
以下の6項目は、ほとんどのケースで記載すべき基本構成です。
① 日本に住み続けたい理由(永住の希望理由)
- なぜ日本で長期的に暮らしたいのか
- 日本にいることで得られる安定や安心とは何か
- 自国への帰国ではなく、日本を選ぶ理由
例)「家族の生活基盤がすでに日本にあるため」「現在の職場が日本にあり、将来的にも勤務を続けたい」
② 現在の職業・収入状況と今後の見通し
- 現在の勤務先・仕事内容・収入状況の概要
- 自立した生活を送っていることのアピール
- 今後の職業見通し(安定的な継続性の説明)
例)「現在○○会社で正社員として勤務しており、今後も長くこの職場で働く予定です」
③ 家族関係や地域とのつながり
- 配偶者や子どもが日本にいる場合は、その絆の強さ
- 日本人との結婚や家族との同居、地域行事への参加など
- 近所・学校・地域社会への関わりの有無
例)「子どもが地元の小学校に通っており、地域の活動にも積極的に参加しています」
④ 日本での生活歴や社会的な適応状況
- 来日から現在までの経緯(留学→就職→結婚など)
- 日本語の習得・文化的適応・地域との交流
- 過去の在留資格・更新の状況・トラブルの有無
例)「来日してから12年間、在留資格の更新も問題なく行い、地域社会にも溶け込んでいます」
⑤ 納税・年金・法令順守などへの意識
- 税金・保険・年金の支払い状況や履歴
- 自分自身の義務を果たしているという強調
- 交通違反や法律違反などの回避姿勢
例)「毎年の確定申告や住民税の納税も欠かさず行っており、年金保険料も支払っています」
⑥ 永住取得後の目標や社会的な貢献意欲
- 永住取得によって実現したい目標
- 自分のスキルを活かして日本社会にどう関わるか
- 地域への恩返しや家族への安定提供など
例)「将来的には子どもの教育環境をより安定させ、日本社会により貢献できるよう努力したいです」
第3章|実際の記載例(テンプレート形式)

以下は、永住許可申請の理由書として使える記載例(日本語)です。必要に応じて内容をカスタマイズして使用してください。
【理由書 記載例】
令和〇年〇月〇日
出入国在留管理庁 御中
申請者氏名:〇〇〇〇(署名)
永住許可申請に関する理由書
私はこのたび、日本において永住許可を申請いたします。以下のとおり、その理由を記載いたします。
私は〇〇年〇月に日本へ入国し、以来〇年間にわたり日本で生活してまいりました。現在は〇〇会社にて正社員として勤務しており、毎月安定した収入を得て、税金・年金の納付も適切に行っております。
また、日本人である配偶者と〇年間結婚生活を送り、〇人の子どもとともに日本での家庭生活を築いております。子どもは現在、日本の小学校に通学しており、日本の社会に順応した生活を送っております。
地域社会との関わりも大切にしており、自治体の行事への参加や、近隣住民との交流を通じて、地域に根差した生活を営んでおります。
これまでの在留期間中、法令違反やトラブル等もなく、日本での生活を誠実に積み重ねてまいりました。今後もこの日本で、家族とともに安定した生活を継続し、社会の一員として貢献していきたいと考えております。
以上の理由から、永住許可をいただけますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。
※このテンプレートは一般的な構成であり、実際の申請者の状況に応じて内容を調整してください。
第4章|NG例|避けるべき表現や失敗例

永住申請の「理由書」は、単なる形式文ではなく、あなたの在留実績や生活状況を“信頼ある形で補足する資料”です。そのため、以下のような表現や内容には注意が必要です。
❌【避けるべきパターン】
① 抽象的すぎて内容がない
例:「日本に住みたいと思ったから申請します」「日本が好きです」
→ 感情面だけでなく、「どのような生活を送り、どんな社会的背景があるか」を具体的に述べる必要があります。
② 自己主張が強すぎる/上から目線
例:「私はもう十分に貢献しているので当然永住をもらえるべきです」
→ 永住は「申請」ではなく「許可制」であり、謙虚な姿勢が求められます。「当然」や「義務」といった表現は避けましょう。
③ 事実と異なることを書く/話を盛る
例:「毎月30万円の収入があります(実際は20万円)」「ボランティア活動をしています(証明できない)」
→ 事実と異なる内容は「虚偽申告」と見なされ、審査に悪影響を及ぼします。記載内容は証拠と矛盾しないように注意しましょう。
④ ネガティブな情報を不用意に記載する
例:「過去に違法な在留をしていましたが…」「離婚して孤独なので永住が必要です」
→ 不利な情報を正直に書くことは誠実さにつながる場合もありますが、理由書に記載する場合は、前向きな表現に言い換える工夫が必要です。弁明が必要な場合は、別途「経緯説明書」として提出しましょう。
⑤ テンプレートの丸写し
例:他人の理由書をそのまま使用し、明らかに個人事情と合っていない内容になっている
→ 申請者の生活状況と合っていない場合、説得力に欠け、印象が悪くなります。参考にすることは問題ありませんが、自分の言葉で書くことが大切です。
第5章|行政書士による理由書サポート内容

永住申請において、「理由書」をどのように書くか悩む方は非常に多くいらっしゃいます。いしなぎ事務所では、申請者の状況を丁寧にヒアリングし、次のような形で理由書作成をサポートしています。
✅ ヒアリングによる状況整理
申請者の経歴、家族構成、就労状況、日本での生活の安定性、地域活動の実績などを丁寧に聞き取り、在留実績を客観的に整理します。
- どのようなビザの経過で現在に至ったか
- 就労状況の変遷(転職歴・雇用形態など)
- 日本での生活に関する具体的なエピソード
- 家族との関係や地域とのつながり
✅ 実態に即した構成・文案の提案
ヒアリング内容をもとに、申請者ごとに最適な構成を考え、以下のような文案を提示・調整していきます。
- 「導入(なぜ永住を希望するのか)」
- 「就労・収入・納税状況についての説明」
- 「日本での生活の安定性、地域との関わり」
- 「将来の展望や、永住取得後の生活計画」
- 「締めの一文:誠意と今後の貢献姿勢の表明」
✅ 添削・文体の調整
作成した文案を、読みやすく・伝わりやすい日本語に調整し、公的な文書としてふさわしい文体に仕上げます。
- 語尾の整え(「思います」→「と考えております」など)
- 不自然な表現や矛盾点の排除
- 誤字脱字や敬語のチェック
- 文章の長さ・リズム感の調整
✅ 翻訳サポート(必要な場合)
外国籍の申請者で日本語が苦手な方には、英語・中国語・タガログ語などからの翻訳サポートも行っています。
(※翻訳は法務局の指示に従い、日本語での提出が基本です)
まとめ|「理由書」は信頼される永住申請の“顔”

永住ビザの申請において、「理由書」は単なる添付書類ではなく、「申請者の人柄や日本での生活状況を伝える大切な“顔」となるものです。
✔ 決まったフォーマットがないからこそ、
✔ 誠実に、具体的に、自分の言葉で伝えることが重要です。
「特に何を書けばいいのかわからない…」という方でも、構成やポイントを押さえて整理すれば、あなただけの説得力ある理由書を作成することができます。
いしなぎ事務所では、理由書の作成支援を含めて、永住申請をトータルでサポートしております。
自分で作成するのが不安な方、書類の整合性に不安がある方は、どうぞお気軽にご相談ください。
行政書士いしなぎ事務所まで
「永住許可を早く確実に取りたい」「書類準備に不安がある」
そんな方は、当事務所(大阪市淀川区)までお気軽にご相談ください。全国からのご依頼に対応し、入管対応の経験を活かして最適なサポートを提供しています。
永住許可を確実かつスムーズに進めたい方は、ぜひ当事務所にご相談ください。
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