在日韓国・朝鮮人の「簡易帰化」と通常帰化|どこが違う?境界線と実務ポイント
はじめに

日本に長く暮らす外国籍の方が「日本国籍を取得したい」と思ったとき、必要になるのが「帰化申請」です。
帰化には 通常帰化・簡易帰化・大帰化 の3つのパターンがあり、そのなかで在日韓国・朝鮮人の方が関わることが多いのは「通常帰化」と「簡易帰化」です。
「簡易帰化」と聞くと「手続が簡単」「すぐ許可される」というイメージを持つ方もいますが、実際にはそうではありません。居住年数など一部の要件が免除されるだけで、他の条件は通常帰化とほとんど同じです。
この記事では、在日韓国・朝鮮人の方にとってよく問題となる 「簡易帰化」と「通常帰化」の違い を、実務的な観点から詳しく解説していきます。
通常帰化の基本ルール

通常帰化は、すべての帰化申請の「基準」となるルートです。
国籍法第5条では、次のような条件が定められています。
- 住所要件:引き続き5年以上、日本に「生活の本拠(住所)」を持っていること
- 能力要件:成人であり、本国法上も行為能力を持つこと
- 素行要件:素行が善良であること(犯罪歴や繰り返しの交通違反はマイナス評価)
- 生計要件:安定した収入や資産があり、本人や世帯で生活を維持できること
- 重国籍防止要件:帰化することで外国籍を失うこと
- 憲法遵守要件:日本の憲法を尊重し、暴力的な団体に関わっていないこと
つまり「5年以上日本で暮らしていること」が出発点であり、そのうえで 生活の安定性と素行の良さを立証する 必要があります。
簡易帰化とは?(国籍法6〜8条)

「簡易帰化」とは、通常帰化の条件の一部が免除される制度です。対象となる人は法律で定められており、大きく分けて次のようなケースがあります。
- 第6条:日本で生まれて3年以上住んでいる人、元日本人の子など
- 第7条:日本人の配偶者(結婚して3年以上+日本に1年以上住んでいる場合など)
- 第8条:日本人の実子や養子、無国籍で日本生まれの人
たとえば、通常帰化では「5年以上、日本に生活の本拠(住所)を持っていること」が必要です。しかし、簡易帰化の対象となる人は、この「住所要件」が免除されることがあります。
ただし、免除されるのは一部だけです。素行・納税・年金・生活の安定・日本語力などは通常帰化と同じレベルで審査されるため、準備の負担はほとんど変わりません。
在日韓国・朝鮮人が簡易帰化に該当しやすい理由

法律に「在日韓国・朝鮮人」という言葉が直接書かれているわけではありません。
しかし、歴史的に日本で生まれ育ち、長期間生活している方が多いため、簡易帰化の対象(特に第6条)に当てはまるケースが多いのです。
ただし「日本生まれ」でも、大学や仕事で海外に長く滞在していた場合は「日本で生活の本拠を持っていない」と判断され、通常帰化の対象になることがあります。
つまり、「簡易か通常か」は、生活の本拠がどこにあるかで判断されるのです。
簡易帰化と通常帰化の違いを比較

違いを整理すると次のようになります。
| 項目 | 通常帰化 | 簡易帰化 |
|---|---|---|
| 居住要件 | 原則5年以上日本に住所 | 条件により免除(例:日本生まれで3年以上居住など) |
| 生計要件 | 安定した収入・資産が必要 | 同じ |
| 素行要件 | 違反・犯罪歴に注意 | 同じ |
| 納税・年金 | 完納・加入が必須 | 同じ |
| 日本語力 | 日常会話・読み書きが必要 | 同じ |
| 提出書類 | 多数必要 | ほぼ同じ、韓国籍の場合は追加書類あり |
提出書類と在日特有の注意点

帰化申請に必要な書類はとても多く、通常帰化でも簡易帰化でも基本は同じです。
共通で必要なもの
- 住民票
- 課税証明書・納税証明書
- 年金記録や社会保険の加入状況
- 在職証明書、源泉徴収票や確定申告書
- 在留カードやパスポート
韓国籍の方に特有のもの
- 基本証明書
- 家族関係証明書
- 婚姻関係証明書
- 国籍離脱許可証明(原則必要。ただし離脱が困難な場合は例外的に許可されることも)
- 通称名(旧名)の使用履歴
大阪法務局での実務的な傾向

大阪法務局での申請では、次のような追加対応を求められることが多いです。
- 転居が多い場合:その理由を説明する文書を提出するよう指示されやすい
- 家計の状況:個人事業や副業をしている場合は、収入の根拠資料を細かく確認される
- 韓国籍の方:家族関係登録簿類の原本取寄せに時間がかかるため、準備は数か月前倒しが望ましい
大阪では特に「生活基盤の安定性」を重視する傾向があります。転職や収入変動があっても、理由を丁寧に説明すればカバー可能です。
まとめ

在日韓国・朝鮮人の方は、法律上「簡易帰化」の対象になるケースが多いものの、海外滞在や生活の安定性によっては通常帰化扱いになることもあります。
大切なのは、
- 簡易=居住年数の免除だけと理解すること
- 書類の量や審査基準は通常とほぼ同じ
- 生活の基盤(収入・納税・年金・居住の連続性)を丁寧に立証すること
です。
帰化申請は「短く見えて実は深い」手続です。専門家のサポートを受けながら、早めに準備を進めることが、スムーズな許可につながります。
FAQ

- 簡易帰化なら審査は早いですか?
-
いいえ。居住年数が免除されるだけで、審査期間は通常と同じく 1年〜1年半程度 かかります。
- 日本生まれですが、留学で数年間海外にいました。簡易帰化の対象ですか?
-
海外滞在が長いと「生活の本拠が日本」と認められず、通常帰化扱いになる可能性があります。
- 韓国籍ですが国籍離脱は必ず必要ですか?
-
原則として必要です。日本の帰化は重国籍を認めないため、韓国の国籍離脱手続を行うことになります。
ただし、年齢や客観的事情により離脱が困難な場合は、国籍法5条2項に基づき例外的に許可されることもあります。 - 日本語はどの程度求められますか?
-
日常生活に支障がない程度の会話と読み書き能力が必要です。面接や提出書類で確認されます。
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