配偶者ビザが不許可になる理由とその対策【2025年最新版】
配偶者ビザ(日本人の配偶者等)は、日本で夫婦として生活するために欠かせない在留資格です。
しかし、申請をしても必ず許可が下りるとは限らず、「なぜ不許可になったのか分からない」というご相談も少なくありません。
配偶者ビザの審査は、書類の形式だけではなく、結婚の実態や生活基盤、過去の在留状況など、多角的な視点から行われます。
わずかな証拠不足や説明不足が理由で、不許可になるケースも多く見られます。
この記事では、行政書士としての実務経験をもとに、配偶者ビザが不許可となる主な理由と、それぞれの対策方法を具体的に解説します。
これから申請をされる方や、不許可後の再申請を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
1章 不許可の主な原因(早見表)

| 不許可理由 | 典型例 | 対策の要点 |
|---|---|---|
| 結婚の実体が薄い | 交際期間が極端に短い/写真ややり取りの記録が乏しい/年齢差が大きい説明不足 | 出会い〜婚姻までの経緯を時系列で説明、写真・メッセージ・渡航履歴等を追加。親族・友人の周知、言語コミュニケーションの根拠も補強。 |
| 同居要件の弱さ | 住民票が別/単身用住居/合理的理由のない別居 | 別居理由(転勤・留学・住居契約等)の客観資料と同居開始計画を提示。住民票の統一や賃貸契約の見直し。 |
| 経済的基盤が不安定 | 年収不足/雇用が不安定/納税未納 | 直近の課税・納税証明、雇用契約・給与明細で安定性を示す。未納は完納の上領収・納付記録を添付。不足は預金残高や扶養計画で補強。 |
| 過去の在留状況に問題 | 資格外活動違反/オーバーステイ/軽微でも違反歴 | 事実経過を正確に記載し再発防止策を明記。違反の軽重・期間・反省・改善を具体化。 |
| 書類不備・整合性不足 | 続柄なし住民票、提出漏れ、記載矛盾 | 最新版書式で再取得。世帯全員・続柄入り住民票、氏名表記統一、日付・住所の整合性チェック。 |
| 法的要件未充足 | 片方の国で婚姻未成立/事実婚・同性婚(日本法上未整備) | 両国の有効婚姻を立証。必要なら相手国の追完手続。 |
重要:不許可は複合要因であることが多いです。1つ直しても他が弱ければ再不許可になります。
2章 原因別の詳しい対策

2-1. 結婚の実態が疑われる場合
配偶者ビザの審査において、最も重要視されるのが「結婚の実態」です。
入管は、形式的に婚姻届が受理されているだけではなく、夫婦として実際に生活を共にしているかどうかを細かく確認します。
たとえば、交際期間が極端に短い、夫婦の写真ややり取りの記録がほとんどない、年齢差が大きいのにその理由が説明されていない──こういった場合、結婚が実態を伴っていないと疑われる可能性があります。
早見表|結婚の実体に関する対策
| 対策項目 | 具体例・提出書類 |
|---|---|
| 出会いから現在までの経緯を丁寧に記載 | 出会いのきっかけ/交際開始日/プロポーズ・結婚式・同居開始までの時系列メモ、家族との交流状況も記載 |
| 十分な証拠を揃える | デート・旅行・日常の写真(時系列)/LINE・メールのやり取り抜粋(期間連続性が分かるように)/家族・友人との集合写真/渡航履歴・搭乗券 |
| 年齢差・短期間婚の説明を充実 | 相手の人柄・価値観・生活観の一致点/結婚に至った理由を具体化(仕事・言語・宗教・将来設計など) |
| 離婚歴がある場合の再婚理由を明確化 | 前婚の経緯と離婚理由(事実ベース)/今回の交際・結婚がビザ目的でないことを示す根拠(交際期間・家族周知・共同生活の実態) |
結婚の背景や生活の様子を、事実に基づき誠実に伝えることが、不許可回避の第一歩です。
入管は「本当に夫婦として生活しているか」を総合的に判断するため、些細に思えることも積極的に資料として提出することをおすすめします。
2-2.同居の必要性が弱い/別居の説明不足
配偶者ビザの審査では、夫婦が同居していることが基本条件とされています。
合理的な理由がない別居や、同居の準備が不十分な場合は、結婚生活の実態を疑われ、不許可の大きな原因となります。
たとえば、単身用の住宅やウィークリーマンションに住んでいる場合、長期的に夫婦生活を送る場所として不適切と判断されることがあります。
また、住民票の住所が別々であったり、郵便物が届いていない場合も、同居の実態が疑われやすくなります。
早見表|同居に関する落ちやすいパターンと対策
| よくある不許可要因 | 改善・対策方法 |
|---|---|
| 単身用住宅・ウィークリーマンション | 間取り1DK/2K以上の物件を契約 |
| 住民票が別/郵便物が届いていない | 住民票、郵便、公共料金の住所を統一 |
| 「準備中」だけで根拠がない | 賃貸申込書、内見記録、引越し見積を提出 |
| 別居理由が説明不足 | 転勤辞令、在学証明、介護診断書で客観的証明 |
2-3.経済的基盤(安定性・継続性・納税)
配偶者ビザの審査では、夫婦が日本で安定した生活を続けられるかどうかが重要視されます。
この「安定した経済的基盤」は、単に年収の多寡だけで判断されるわけではなく、勤続年数や雇用形態、過去の納税・社会保険料の支払い状況など、複数の要素を総合的に評価されます。
特に、将来的に永住ビザを目指す場合は、住民税だけでなく国民年金や健康保険の納付状況も厳しくチェックされるため、日頃から計画的な納付を心がけることが大切です。
早見表|経済的基盤に関するチェックポイントと対策
| チェックされる点 | 対策方法 |
|---|---|
| 年収額・勤続年数・雇用形態 | 雇用契約書・在職証明書・給与明細・源泉徴収票を提出 |
| 過去1〜3年の課税・納税証明 | 市区町村発行の課税証明書・納税証明書を全年度分提出 |
| 国民年金・健康保険の納付状況 | 未納があれば完納し、領収書・納付書写しを添付 |
| 収入不足の補完 | 預金残高証明・家計収支表・配偶者の収入証明を提出 |
| 自営業の場合 | 確定申告書控・青色申告決算書・総勘定元帳を整理して提出 |
2-4.過去の在留状況に課題がある場合
配偶者ビザの審査では、過去の在留状況も厳しくチェックされます。
一見軽微に見える違反やトラブルでも、入管は「法令を守る意思があるかどうか」を重要視します。
よくある例としては、資格外活動違反(週28時間を超えるアルバイト)、数日〜数週間程度のオーバーステイ、退学や退職後に在留資格を切り替えず放置していたケースなどがあります。
こうした経歴がある場合、事実を隠すのではなく、正確かつ具体的に説明し、改善策や再発防止の取組を明示することが重要です。
ポイント
入管は「違反の有無」だけでなく「その後の対応」を重視します。事実を隠すより、正確に開示して誠実な姿勢を示すほうが審査は前に進みます。
早見表|過去の在留状況に課題がある場合の対策
| 課題の例 | 対策方法 |
|---|---|
| 資格外活動違反(週28時間超) | 違反時期と時間を正確に記載、労働時間管理体制の導入を説明 |
| 短期のオーバーステイ | 日数・理由を明確化し、再発防止策(在留期限管理)を提示 |
| 退学・退職後の在留資格放置 | 放置期間と理由を説明、資格変更手続きを適切に行った証拠を提出 |
| その他法令違反 | 背景事情・反省・改善措置(年金・保険加入、専門家伴走など)を記載 |
2-5.書類不備・整合性の問題
配偶者ビザの審査で意外に多い不許可原因の一つが「書類の不備」や「記載内容の不一致」です。
本人や家族の情報が書類間で少しでも異なると、入管は「情報の正確性」や「申請準備の信頼性」に疑問を持ちます。
よくある例としては、住民票に世帯全員や続柄が記載されていないケース、パスポート・在留カード・住民票で名前の表記に揺れ(ミドルネームの有無、大文字小文字、ハイフンの有無など)があるケース、書類ごとの署名日付や住所が微妙に異なっているケースなどがあります。
こうしたミスは申請全体の印象を悪くするだけでなく、追加書類や再提出を求められる原因にもなります。
早見表|書類不備・整合性の問題と対策
| よくある不備・ズレ | 対策方法 |
|---|---|
| 住民票に世帯全員・続柄が記載されていない | 取得時に「世帯全員・続柄入り」で発行依頼 |
| パスポート・在留カード・住民票で名前表記が異なる | 名前表記統一表(ローマ字・母国語)を作成し統一 |
| 署名の日付や住所が書類ごとに異なる | 提出前に日付・住所を全書類で照合、統一 |
2-6.法的要件の未充足(両国での婚姻成立)
配偶者ビザの申請では、「日本と相手国の両方で婚姻が有効に成立していること」が前提条件です。
どちらか一方の国で婚姻手続きが未完了だったり、必要な認証手続きが終わっていない場合、ビザ申請は受理されないか、不許可となります。
特に国際結婚の場合、相手国の法律や手続きが日本と異なり、婚姻成立後に追加で登録や認証が必要なケースがあります。Apostille(アポスティーユ)や外務省認証が求められる国もあり、有効期限や提出期限が設定されている場合もあるため注意が必要です。
早見表|両国での婚姻成立に関するチェックと対策
| 起きがちな問題 | 対策方法 |
|---|---|
| 一方の国で婚姻が未成立/認証未完了 | 戸籍謄本・婚姻証明書を両国で取得、翻訳添付 |
| 相手国で追加登録が必要なのに未処理 | 相手国での登録・認証を完了してから申請 |
| 認証の種類や期限を確認していない | Apostilleや外務省認証の有効期限を確認し、期限内に提出 |
3章 不許可通知の読み方と再申請の流れ

配偶者ビザが不許可になった場合でも、理由を正確に把握し、改善策を講じれば再申請で許可を得られる可能性は十分あります。
ポイントは「感情的にならず、事実とデータで分析すること」です。
3-1. 不許可通知を確認するポイント
- 不許可区分の特定
入管の審査は大きく「該当性」「基準適合性」「相当性」の3段階に分かれます。
どの段階で否定されたのかを把握することが、改善策の方向性を決める第一歩です。 - 補正可能性の有無
通知内容によっては、追加資料の提出や説明で挽回できる場合があります。 - 聴取や口頭説明の余地
面談や追加ヒアリングが可能と示唆されている場合は、積極的に応じて誤解を解消します。
3-2. 再申請までの基本ステップ
- 不許可理由の特定
通知書の記載内容、面談でのやり取り、提出書類を照合し、弱点を特定します。 - 不足証拠の収集
前章で解説した対策内容に沿って、必要な資料を漏れなく集めます。 - 理由書の作成
事実経過を時系列で整理し、客観的資料の索引と改善策を明確に記載します。 - タイミングの見極め
同じ条件で即再申請しても結果は変わりません。必ず改善を終えてから申請します。 - 専門家チェック
第三者(行政書士など)による書類整合性の確認で、見落としや誤解を防ぎます。
再申請の目安
一般的には不許可から3〜6か月後が目安ですが、改善が完全に整っていれば前倒しも可能です。
逆に改善が不十分なまま再申請すると、再び不許可になり、その後の申請にも悪影響が出る場合があります。
4章 申請前に揃えておくべき「証拠セット」チェックリスト

配偶者ビザの申請では、事実関係を裏付ける客観的な証拠をどれだけ体系的に揃えられるかが審査の鍵になります。
以下のリストを申請準備の段階で一つずつ確認し、抜け漏れを防ぎましょう。
📋 配偶者ビザ申請前チェックリスト(証拠セット)
| チェック | 証拠項目 | 内容・補足 |
|---|---|---|
| □ | 出会い〜婚姻までの経緯書 | 出会いのきっかけから婚姻に至るまでを時系列で記載(交際開始日、プロポーズ、結婚式、同居開始など) |
| □ | 写真資料 | 家族や友人も含めた写真、季節やイベントが分かるものを複数準備 |
| □ | 通信記録 | LINE・メール・通話履歴などを月ごとに抜粋し、継続性を示す |
| □ | 住居関係の証拠 | 賃貸契約書(同居人欄)、公共料金請求書、郵便物の送付先記録 |
| □ | 収入・納税関係 | 課税証明書・納税証明書、給与明細、在職証明(自営は確定申告書一式) |
| □ | 保険・年金の納付状況 | 加入証明、納付記録(年金手帳写し、納付書控など) |
| □ | 両国での婚姻成立証明 | 相手国必要手続の完了書類、Apostilleや外務省認証が必要な場合はその証明も添付 |
| □ | 氏名表記統一表 | 英字・母国語・戸籍表記の統一リストを作成し全書類で統一 |
| □ | 家族周知の証拠 | 結婚報告メッセージ、招待状、SNS投稿記録など |
| □ | 別居理由と同居計画 | 転勤辞令、在学証明、介護資料等の理由書+同居開始計画書 |
5章 よくある勘違いQ&A

- Q1. 写真は結婚式の数枚だけで十分ですか?
-
不十分です。結婚式だけでは「実体のある結婚生活」の証明になりません。日常の写真を、交際期間〜現在まで時系列で複数用意しましょう。
- Q2. 住民票が別でも申請できますか?
-
合理的理由がない別居は不許可の可能性が高まります。転勤や留学など正当な理由がある場合は、その根拠資料と同居計画書を添付してください。
- Q3. 年収が一定額未満だと不許可ですか?
-
法令で明確な金額基準はありませんが、収入の安定性・継続性が重視されます。不足分は預金残高証明や扶養計画で補強が可能です。
- Q4. 申請中に海外へ渡航できますか?
-
原則できません。特に更新申請中は在留カードを返却するため、出国すると申請が取り下げ扱いになるリスクがあります。やむを得ない場合は事前に入管へ相談してください。
- Q5. 同性婚でも配偶者ビザを申請できますか?
-
現行の日本法では配偶者ビザの対象外です。別の在留資格(例:就労ビザ、特定活動など)を検討する必要があります。
6章 まとめ

配偶者ビザの審査では、「結婚の実態」「同居の有無」「安定した経済基盤」「良好な在留状況」の4つが大きな柱となります。
これらの条件を満たしていても、証拠や説明が不十分であれば、不許可となる可能性はゼロではありません。
大切なのは、事実をしっかりと裏付ける資料をそろえ、審査官に「夫婦として安定して暮らしている姿」が伝わる申請書類を作ることです。
不安な点や過去に不許可となった経験がある場合は、自己判断で再申請する前に、入管業務に詳しい行政書士に相談することをおすすめします。
配偶者ビザは、ご夫婦の生活の土台を支える大切な在留資格です。
確実な許可取得に向けて、早めの準備と丁寧な対応を心がけましょう。
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