在留期限後の「特例期間」は30日?31日?誤解されやすい違いを徹底解説【2025年版】
はじめに

「在留カードの期限が切れても30日間は大丈夫」──セミナーやネット記事で、このような説明を聞いたことはありませんか。
一見すると安心できる言葉ですが、実は正確ではありません。誤解したまま受け止めると、気づかぬうちに不法残留という深刻なリスクに直結する危険なポイントなのです。
本当のところはどうなのでしょうか。
実際には「在留期限を過ぎても一定の条件を満たした場合に限り、特例期間(みなし在留資格)が認められる」という制度があります。
ただし、すべての人が自動的に対象になるわけではなく、「30日」や「31日」という在留期間の違いによって制度の適用に差が出ます。
さらに混乱を招きやすいのが、申請が不許可になった後に与えられる30日間の出国準備期間との混同です。
「特例期間」と「出国準備期間」は全く性質の異なる制度ですが、名前や日数が似ているため誤解が広がりやすいのです。
この記事では、行政書士として多くの入管手続きを取り扱ってきた立場から、
- 特例期間(みなし在留資格)の制度概要と根拠条文
- 「30日」と「31日」の違いの正体
- 不許可後に与えられる30日間の猶予との違い
- 実務における影響と注意点
- よくある誤解と落とし穴
これらを整理し、徹底的に解説します。
特例期間とは?(制度概要と根拠条文)

まず、「特例期間」とは何かを正確に押さえておきましょう。
- 根拠条文:出入国管理及び難民認定法(入管法)第20条第6項
- 内容:在留期間の満了日前に、更新・変更・永住許可などの申請をした場合、その在留資格を持つ者と「みなす」
本来であれば在留期限を1日でも過ぎれば不法残留ですが、申請が受理されている限り、例外的に在留資格を持っていると扱われる制度です。これが俗に「特例期間」と呼ばれるものです。
入管法20条6項の条文
条文には次のように規定されています。
「在留期間の更新又は在留資格の変更を許可する処分又はこれを不許可とする処分がある日までの間において、当該処分がある日から30日又は在留期間の満了の日から30日のいずれか短い期間を超えない範囲内に限り、従前の在留資格を有する者とみなす。」
条文上の二重制限
この条文から分かるとおり、特例期間には二重の制限があります。
- 在留期限から30日
- 処分(許可・不許可)が出る日まで
実務上の「月末調整」と最大2か月
さらに、実務運用上は「在留期間が月末に満了する場合は翌月末まで」と扱われるケースがあります。
- 例:3月31日満了 → 翌月4月30日まで
- この結果、条文上は30日以内のはずですが、実務では「ほぼ2か月近い滞在」が可能になる場合があるのです。
重要なポイント
- 特例期間は「延長」ではなく、申請に伴うみなし資格
- 条文上は「30日 or 処分日までの短い方」
- 実務上は月末処理によって「最大2か月近く」になるケースも存在
「30日」と「31日」の違いの正体

ここで混乱を招きやすいのが、「30日」と「31日」の在留期間の違いです。
30日の在留資格
- 例:短期滞在(30日)
- 特例の対象外
- 期限前に申請しても、みなし在留資格は与えられず、期限を過ぎたら不法残留
31日以上の在留資格
- 例:配偶者ビザ1年、技人国1年、永住申請中など
- 特例の対象
- 期限前に申請すれば、みなし在留資格が発生し、最大2か月弱まで適法に滞在可能
月末調整の仕組み

在留期間の計算は「日数」ではなく、カレンダー上の月日で管理されます。
入管は在留期間を「年単位」「月単位」で与えるため、基本的には以下のように決まります。
- 1年の在留 → 翌年の同じ月・同じ日が満了日
- 3か月の在留 → 3か月後の同じ日が満了日
31日が存在しない月の問題
ここで問題になるのが「31日」の扱いです。
例えば、2025年1月31日に「1か月の在留」をもらった場合、本来であれば「2025年2月31日」が満了日になるはずですが、2月には「31日」が存在しません。
解決策:翌月末を満了日とする
このズレを解消するために、入管は「存在しない日付に対応する場合は翌月の末日を満了日とする」*というルールを運用しています。
- 1月31日 → 翌月2月の末日(28日 or 29日)
- 3月31日 → 翌月4月30日
- 5月31日 → 翌月6月30日
結果としてどう見えるか?
この調整の結果、「31日スタートの人だけ翌月末まで有効」 という扱いになり、表面的には「1か月ちょっと長い」ように見えます。
だからこそ現場では、
- 30日満了 → その月の30日で終了
- 31日満了 → 翌月末(30日や28日/29日)まで有効
→ 「31日ならOK」という説明が広まったのです。
ただしこれはあくまで在留期間そのものをどう数えるかという“カレンダー調整”の話であり、後述する特例期間(みなし在留資格)とは関係ありません。
不許可後に与えられる30日間の出国準備

もう一つ混同されやすい制度が「不許可後の出国準備期間」です。
出国準備期間の概要
- 入管法によって、不許可決定後に30日間の出国準備期間が与えられる
- この間は合法的に日本に滞在できるが、在留資格は失っている
- 就労活動は一切できない
- 30日を過ぎると即不法残留
特例期間との違い
| 項目 | 特例期間(みなし在留資格) | 不許可後の出国準備期間 |
|---|---|---|
| 根拠 | 入管法20条6項 | 入管法59条等 |
| 性質 | 在留資格を持っているとみなす | 在留資格なし、単なる猶予 |
| 活動 | 申請前と同じ範囲で活動可 | 就労不可 |
| 対象 | 在留期間31日以上の者 | 不許可になった全員 |
| 長さ | 最大30日(運用で翌月末扱い) | 一律30日 |
実務的な影響

ケース1:30日の在留資格(短期滞在など)
- 申請しても特例なし
- 在留期限が来たら即不法残留
- 不許可後に与えられる30日間だけが唯一の猶予
ケース2:31日以上の在留資格(就労・配偶者・永住申請など)
- 申請していれば特例で滞在継続可
- 不許可後は猶予30日へ移行
- 申請前に必ず受理を済ませることが大前提
よくある誤解と落とし穴

- 「在留期限が切れても30日間は大丈夫」 → ❌ 特例の条件を満たす人だけ
- 「不許可後も特例がある」 → ❌ 不許可になった瞬間に特例は消滅し、出国準備30日へ移行
- 「31日は延長される」 → ❌ 延長ではなく、みなし在留資格+月末処理による日付調整
まとめと注意喚起

- 特例期間は「延長」ではなく「みなし在留資格」
- 適用されるのは在留期間31日以上の在留資格
- 30日の在留資格は対象外
- 不許可となれば最終的に出国準備30日しか残らない
- 誤解すると「不法残留」という重大リスクに直結する
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